花火の「音」を聞きに行く。

水曜日、天神祭の本宮。ごった返す人波を避け、天満駅から秘密の裏道を歩いて午後七時十五分、源八橋西詰南交差点の少し西側、酒店立ち呑み「酒のハヤシ」のカウンターに立って七時半の花火打ち上げを待つ。通りを挟んで向かいに大きなビルがあるので、間近ではあってもここからは打ち上がった花火を見ることは出来ない。見えるのはぞろぞろと続く花火見物の行列。ほとんどが若い子。瓶ビールと目の前にあった小鰺の南蛮漬け二尾をつまみながら行列を眺める。やがて七時半、飛行場にでも居るかのような轟音が響いて花火の始まり。
トイレを借りるために入ってくる小娘の多いのに驚く。どの子も気兼ねをしてか、缶酎ハイなんかを買ってから用を済ませて出ていく。
「おねえちゃん、今日はなんかあんの?」
「はなびー!」
「ふーん、なんかお祭りでもやっとんの?」
「てんじんまつりー!」
「そうなん? 今日やったんか……」
年寄りのナンパは時代遅れで歯が立たず、どの子も一緒に呑んでくれそうにはない。菊正の冷やに切り替えてポテサラと花火の音をアテに呑み続ける。早めに店仕舞いするという事なので、菊正をもう一杯呑んで店を出て天満駅まで戻ることにする。咽が渇いていたので「銀座屋」に寄ると年寄りが大勢居て、何かほっとする。瓶ビールを一本とモヤシ炒め。天神祭はこれにてお終い、という事は今年もこれでお終い。

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by Shashin-Zake | 2007-07-26 17:54 | モノクロ写真