ここだけの話

「コップどれや、これか? 空けてみ?」
教頭先生の言われるままにコップを空っぽにすると、厳重に包まれたペットボトルからドクドクドクと白く濁った密かな液体が。
「山田錦百パーや、どや!」
一口呑んで、「うまあ〜!」二口呑んでさらに「うまあ〜!」。何だこれは! 味わったことの無い旨さだ。すげえ〜! 米粒感もはんぱないぜ! もっと呑みてえ〜!
「こんなん拵えていいんですか? ヤバくないっすか?」
先生はなにも答えぬまま、隣のご友人の鞄のなかにその包みを押し込んだ。
「瓶に入れたら破裂するからな、ペットボトルやないとあかんねん。それでもいっぱいいっぱいに入れたらあかんねん」
その密かな液体は、濁っているとか、そんなもんじゃないね。どっちかというと粥に近い。おいしいお粥。先生、何でも造るんだ! ご友人が帰られたあと、念をおされるようにこう仰った。
「持って帰ったよな? 忘れてへんよな? あんた、明日は来るんか?」
う〜ん、残念ながら、明日は用事で。神戸・南京町の『赤松酒店』で燗酒、瓶ビール、塩鮭、密かな液体。



ここだけの話_c0102003_21172691.jpg



ここだけの話_c0102003_2117386.jpg



ここだけの話_c0102003_21175387.jpg



ここだけの話_c0102003_2118148.jpg






◎神戸市中央区/北野町
by Shashin-Zake | 2015-02-28 21:19 | カラー写真